2019年07月16日

公開質問状を作りました

 7月12日開催のちさと館での議会報告会で、議員の説明責任を求める声が大きく挙げられました。「議会報告を聞くに値する議会か、先ずはこの間のテレビ報道された政務活動費の不正受給に対しての説明を聞きたい」で始まり、議員責任を問う声で、議会報告会の大半が費やされました。

 しかし、議会、議員の説明責任が果たされたと考える参加者はほとんどいなかったと思います。「議長が調査している」「議会事務局の責任もある」など、どこか他人まかせで自らの責任を明らかにしない議員当事者に、呆れる思いです。本当に往生際が悪い。いつまで調査すれば結論がでるのでしょうか?

 新城市議会の自浄能力は、限界と判断しました。議長をはじめ多くの幹部が、事を穏便に済ませようとしているように感じます。それで、僕個人で「公開質問状」という形で、対象議員に回答を求めることにしました。

 本日(7月16日)、議会事務局に議員本人に渡していただくように依頼してきました。まさか、議長にお伺いをたてて握りつぶすことはないと思いますが。市民が主人公ですから、誠実な対応を期待します。質問の相手は、、村田康助、下江洋行、中西宏彰、柴田賢治郎、長田共永、山崎祐一、鈴木長良、竹下修平、佐宗龍俊議員の9名です。

以下に、公開質問状を原文のまま、載せます。

文責:白井倫啓



            公 開 質 問 状

 平成29年度の国会議員への陳情の際の宿泊費不正請求、平成30年度の研修先への交通費不正請求が市民団体(新城市政を考える会)から指摘され、早数ヵ月が過ぎています。

 7月開催の議会報告会が、市民の前での初めての説明の場となりましたが、参加されている市民を納得させるだけの説明はできませんでした。特に7月12日開催のちさと館では、未だに「現在、議長が調査を継続している。なぜ、今回の様なことが起きたのかを明らかにして、市民に報告する」などの弁明に多くの参加者から疑問の声が噴出しました。

 そもそも、新城市議会も強調する「二元代表制」は、市民からの信頼があってこそ成り立つものです。議会基本条例では、議会が説明責任を果たすことを求め、政治倫理条例では、市民から疑念を持たれないような活動を、さらに疑念を持たれた場合は、自らその疑念払拭に努めることを議員に課しています。

 今回の不祥事は、議員の資質、議会のあり方が問われた事件になったと考えています。法的な問題というより、新城市議会が市民のために、自らの議会をどの様に改革していくのかが問われたということです。現在、議会改革調査特別委員会を立ち上げ、議会改革の検討を継続しています。

 議会改革を検討しながら、一方ではマスコミ報道まで広がった議員、議会の議会改革に逆行する行動が表面化している状況です。
今回、問題視された議員は、村田康助(副議長)、下江洋行(議会運営委員会委員長)、中西宏彰(議会運営委員会副委員長、東三河連合議会副議長)、柴田賢治郎(経済建設委員会委員長)、長田共永(4期目)、山崎祐一(元東三河連合議会議員:辞任、議会から辞職勧告)、鈴木長良(議会運営委員会委員)、竹下修平、佐宗龍俊議員の9名(議員総数の半分)にもなっています。新城市議会全体が、市民に疑念を抱かせたと言える状況です。

 さらに、問題の2事件のどちらにも顔を出しているのが、村田、下江、中西、柴田、山崎、長田議員の6人です。新城市議会の運営を担い、議会改革の先頭に立つべき議員が、議会改革にブレーキをかける先頭に立っている様な構図となっています。

 自らの説明責任が果たされていませんので、公開質問状という形で、それぞれの議員に質問をさせて頂くことにしました。この質問状は、全て公開します。新城市議会の議会基本条例の精神に則って、市民への説明責任を果たして頂きます。公開質問状は、別紙にありますので、議員個人個人でご回答下さい。

質問内容は、調査研究を求めているものではありませんので、長期間を必要とするものではないと考え、下記の回答日での対応をお願いいたします。回答は、質問番号に対応して頂ければ、書式はお任せいたします。

◆回答日:2019年7月30日(火)
※議会事務局に預けていただければ、僕が受け取りに出向きます。回答については、僕が管理するブログなど(新聞折込も検討)で公開します。

以上、よろしくお願いいたします。
                       2019年7月16日
                        
新城市杉山字前野16-2
白井倫啓(090-1290-2224)



<公開質問状>

■平成29年度の宿泊費不正請求が疑われる件

<国会議員への陳情について> ※陳情に行かれた9議員に質問致します

 新城市議会は、会派制を廃止し、委員会活動を中心にするという議会改革を、多くの議会に先駆けて実施し、視察も受け入れてきました。この改革は、従来の会派による多数決では、主義主張が前面に表れ、市民を主人公と位置づけること、また市民福祉の向上という大前提が崩れかねないという恐れを払しょくするための大改革でした。また、政務活動費運用基準も明確にして、政務活動費の有効活用、不正利用防止に取り組もうとしています。この認識のもとに質問します。

①今回の陳情の起案者は誰か?同行した理由は何ですか?

②議員辞職を勧告した山崎議員をメンバーに加えた(あるいは拒否しなかった)理由は?対外的な陳情に同行させたということは、山崎議員を無罪放免したということですか?

③今回陳情の道路インフラの整備は、地元選挙区の県議、国会議員を通じて、また関係自治体を巻き込んでの期成同盟会などでも長年来の要望です。既に多くのルートで要望が挙がっているにもかかわらず、今回、なぜ、陳情が必要だったのですか?

④全国の自治体には、新城市と同様に道路インフラ未整備の自治体が多数あります。もし、陳情が効果あると考え、全国の無数の議会が陳情合戦を行った時、誰がどの様に優先順位をつけるとお考えなのですか?

⑤道路インフラについては、市議会での委員会管轄は経済建設委員会になりますが、委員会での議論の必要性を考えなかったのですか?

⑥問題が表面化した時、陳情書が行方不明だったと聞いています。なぜ、政務活動報告書に陳情書を添付しなかったのですか?

⑦陳情に行くことを、議長、議会事務局に、事前に報告されていたのですか?

⑧市民団体の問題指摘を受け、宿泊費を返還する、返還しないと議員間で判断が分かれました。なぜ返還したのでしょうか(長田、佐宗議員への質問)?なぜ返還しなかったのでしょうか(村田、下江、中西、山崎、竹下議員への質問)?それぞれお答えください。

⑨今回の活動と委員会中心の活動との整合性についてどの様にお考えですか?

⑩今後も、今回の様な陳情が必要だとお考えですか?

⑪陳情書(陳情に持参したもの、後日作成したものではありません)を添付してください。

<国立印刷局視察について>※鈴木議員は日帰りのため同行していませんので、回答は不要です。

 政務活動費は、市民福祉向上のために、政策立案、議員個人の資質向上などに使われるもので、物見遊山的な議員活動に使うことを厳に戒めています。新城市議会も、その認識で運用基準の明確化をしているものと考えています。

⑫なぜ国立印刷局視察を選んだのですか?

⑬テレビ番組で、海外視察をする自治体の首長たちを追跡する(視察行程の一部始終をカメラで追いかけ、所々でインタビューしながら、物見遊山的視察をありのままに記録している)企画が流されています。テレビ番組内でもコメンテーターたちが、自分の自治体との関連性がない視察を繰り返すことに疑問を投げかけていました。今回の視察とテレビ報道された海外視察がダブりました。
この視察が、新城市のどの様な政策立案に役立つと考えたのですか?

⑭視察後、新城市のどの様に政策に反映させようとしていますか?

⑮もし、今回の視察が問題なしと判断されれば、新城市と何の関係もない所への視察もあり得ることになります。政務活動費による視察のあり方をどの様にすべきとお考えですか?

⑯国立印刷局視察にいくことを、議長、議会事務局に、事前に報告されていたのですか?


■平成30年度の交通費不正請求が疑われる件 ※同乗した6人の議員に質問致します。

 研修に行く数ヵ月前、議会運営員会を中心に政務活動費の運用基準の明確化を検討・決定していました。運用基準には、「やむを得ない時に限り、公共交通機関以外の移動手段を認める」としていました。しかし、研修には、6人(村田、下江、中西、柴田、長田、山崎議員)が中西議員の自家用車に同乗して移動していました。既に、5人の議員(山崎議員は政務活動費を請求していませんでした)は、公共交通機関の運賃を返還し、政務活動費報告書から削除しています。それでもなお、疑念は消えていません。以下、お答えください。

<個人の自家用車に同乗した件>

⑰なぜ、中西議員の自家用車への同乗を選んだのですか?

⑱自ら決めた運用基準から外れるとは考えなかったのですか?

⑲自家用車乗り合わせの件について、議長、事務局に、事前に報告はされていたのですか?

⑳政務活動費報告を修正すれば問題無しと考えたのですか?返還で市民理解は得られると考えたのですか?

㉑(山崎議員を除く5議員への質問)研修費用は削除せず、運賃のみの削除としています。なぜ、運賃のみの修正としたのですか?
 (山崎議員への質問)自ら必要と判断した研修に対する費用を請求しなかった(返還額から考えれば請求できたはず)理由は何ですか?

㉒今回の修正が認められるとなれば、往復の交通手段は問わないということになります。そうなれば、研修先または視察先だけを決めて、その前後の行動は何も問わないということになりかねません。研修・視察は、新城を出るところから帰るところまでが一連の議員活動と考えるべきなのではないですか?

㉓対象議員は、事務局の責任も問うていますが、政務活動費の報告の主体は誰だとお考えですか?なぜ、事務局の責任が発生するのでしょうか?

<研修について>

㉔自分のこれまでの活動の中で今回の研修の必要性に至った点は何だったのですか?

㉕今回の研修での気づきは何だったのか?その気づきを新城市政に反映させるために、今後の活動方向をどの様に考えていますか?

㉖これまでの研修によって政策提案に結びついた事例があればお示し下さい。

㉗研修先決定の判断が議員個人に任されている現状では、政務活動費消化型の研修になり易いのではないですか?

㉘今回の事件報道で、研修・視察に対しての市民の疑念は増大しています。現在の研修・視察全般において、問題点があるとお考えであれば具体的にお答えください。


以上。ご協力ありがとうございました。




同じカテゴリー(新城市議会)の記事画像
長田議長からの回答
佐宗議員の回答を公開します
同じカテゴリー(新城市議会)の記事
 3月議会終了。 (2022-03-22 16:55)
 長田議長からの回答 (2022-03-16 09:28)
 新城市議会に一般質問は必要か? (2022-03-08 12:00)
 仲良し小好しの本会議場 (2021-12-15 22:02)
 新城市議会の初定例会 (2021-12-10 07:54)
 新議会に再生宣言を求める (2021-11-26 07:30)
Posted by みちひろ at 15:48│Comments(9)新城市議会
この記事へのコメント
こんな説明じゃあ、市民は納得できませんね。議会報告会には最初から期待してませんでしたけど、やっぱりそんなものかという感じです。これだけ市民に不信感を抱かせる議員たちが何を「報告」しても、信用できません。

公開質問状を読むと、問題の根深さがわかります。

ところで、

>個人で「公開質問状」という形で、対象議員に回答を求めることにしました。

という場合、どうやって議員から回答が来るんですか。やっぱり公開回答になるんですか。こちらで公開してくださるとありがたいです。

「不徳の致すところ。。。」とか「猛省しております。。。」とか、つまらん言い訳で逃げられないことを願います。
Posted by 一市民 at 2019年07月16日 23:57
山崎議員に辞職勧告が出されたのは、昨年度(平成30年度)ではなかったかと。確か、平成30年の12月議会で全会一致で辞職勧告になったのでは?

そうすると、平成29年度の宿泊費不正請求が疑われる件で「②議員辞職を勧告した山崎議員をメンバーに加えた(あるいは拒否しなかった)理由は?対外的な陳情に同行させたということは、山崎議員を無罪放免したということですか?」

という質問は、時期が合わないというか、なんちゃって陳情お上りさん旅行のときは、まだ辞職勧告されてなかったのではないのでは?

元になった審査請求に私も署名しました。平成30年の4月だったと記憶しています。

ちょっと疑問に思ったので。
Posted by 署名 at 2019年07月17日 00:14
市民さんへ

質問状に書いた通り、議会事務局に預けていただき、僕が受け取りに行き、その後ブログなどで公開します。


署名さんへ

ご指摘の通りです。この点は明らかに僕の混同でした。
回答があれば指摘されるでしょう。慎重さが足りませんでした。

辞職勧告後の山崎議員への対応の甘さが気になっていて、何らかの形で、議会の対応を質そうという気持ちが先行してしまいました。
Posted by みちひろみちひろ at 2019年07月17日 05:09
> ⑪陳情書(陳情に持参したもの、後日作成したものではありません)を添付してください。

今から慌てて作ってる様子が思い浮かびますねえ。

新城から9人も市議が東京まで泊りがけで行って、複数の国会議員に会うのに、陳情書なしで口頭で15分程度で説明してきたと聞いてますが、ありえませんね。こんなのまともに相手にしないでしょう、国会議員のほうも。

> ⑭視察後、新城市のどの様に政策に反映させようとしていますか?

国立印刷局と新城市政と何が関係あるのか。ないでしょう。市議がどんな言い訳をするのか楽しみです。

白井さんの公開質問状で、この陳情がいかにザルだったかわかりますよ。これだけじゃなくて、今までの研修とか陳情とかいう旅行の内容も推して知るべしでしょうね。ぜんぶ我々の血税ですよね。ふざけた特権意識を持っている新城市議(全員とは言いませんが、大多数の)には、二度と投票しちゃいけませんよ。新城市民もよくよく考えるべきだと思います。
Posted by 通りすがり at 2019年07月18日 00:30
 回答日まであと6日ですね。こちらのブログでの公開をお待ちしています。もし公開質問状を無視する議員がいたら、大きく名前を出してほしいです。

 ところで、浅尾議員、山田議員、澤田議員の3名が、東京での陳情旅行について市議6名に対する政倫審の請求を丸山議長に提出したそうですね。

 うやむやにしないのは大事だと思いますが、山崎議員の例(政倫審で辞職勧告、その後議会で全員一致で辞職勧告。それなのに、市民の謝罪も説明もせず、いまだに平然と議員をやっている)を見ても、どれくらい効力があるのか疑問です。新城市議会は政倫審そのものも機能してないんじゃないかという気がします。

 次の議員選挙のときに、政倫審にかけられたこういう人物には投票しないようにという一つの指標にはなるのでしょうか。過去の市長選・市議選の結果からして、新城市民はあまり考えずに投票しているように思えるのですが。
Posted by 市民Y at 2019年07月24日 22:50
市民さんへ。

公開質問状への対応のありかたで、ますます議会の実態がわかります。基本的な事を聞いていますので、議員の質を明らかにすると思います。

誰が応えてくれるでしょうか?どの様な結果になろうと、このブログで公開します。

ご指摘の様に、市民意識が議員の質を問わずに投票が行われてきました。ここが変わってほしいところです。市民自らが、代表者を選ぶ意識をたかめないと、立候補する市民の意識も変わらないでしょう。
Posted by みちひろみちひろ at 2019年07月25日 19:20
お返事ありがとうございます。

浅尾議員のブログによると、政倫審を開催するかどうか決めるという議会運営委員会で、3議員の政倫審請求にケチをつけたようです。「住民監査請求書の写し」、「名古屋地方裁判所への訴状」、「政務活動費使途の疑惑を招いた行為の事実を証する根拠資料追加資料」を要求しているとか。

住民監査請求書がなければ、政倫審が開けない? そんなわけないでしょう。疑惑を招いた行為の事実?? それはもう明らかでしょう。新聞沙汰にもなっていますよ。

議会運営委員会メンバー6名のうち、3名は政倫審の対象になっていると聞いては、政倫審の開催が危ぶまれます。

新城市議会は機能していないとはよく聞きますが、今回の対応で本当に呆れました。
Posted by 市民Y at 2019年07月25日 22:36
市民Yさんへ

浅尾議員のブログへもコメントしておきましたが、同様に呆れました。

こんなことが許されたら、政倫審の設置ができなくなる可能性があります。資料の不備の指摘は、政倫審の内容に踏み込んでいると考えます。
Posted by みちひろみちひろ at 2019年07月26日 05:32
浅尾議員のブログで知ったのですが、ずっと隠されていた国会議員への「要望書」がやっと出てきたみたいですね。

市議会議員全員に確認を取らずに、「新城市議会」として要望書を出したらしいです。知らされていなかった議員が追及したら、陳情の責任者だった村田議員と下江議員は黙っていたとか。

政務活動費についての政倫審(途中で非公開とか、書類は出さないとか、茶番でした)では罰を受けなかった陳情旅行議員連中ですが、叩けばいくらでもホコリが出てきそうですよ。今度はしっかり調査してほしいですね。

https://asao.dosugoi.net/e1125003.html
ブログ 疑惑の「要望書」が、とうとう明らかに!
2020年02月11日
Posted by 市民Y at 2020年02月11日 23:15
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。