2023年03月26日

愛知県の対応、疑問は未だ解消されず

前回ブログからの動きを書いてみます。

新城市に情報公開請求(請求日3月15日)していた文書が、3月23日に開示決定(請求した文書を請求者に示す日時の決定)がされました。

請求文書は、「新城市土地開発行為に関する指導要綱(以下、新城市指導要綱)」に基づく申出書関係文書でした。

愛知県環境保全課対応に関する情報公開請求(請求日3月7日)していた文書の開示決定期間(3月7日から3月20日)が延長されました。延長期間は3月7日から4月20日となりました。

延長決定通知書の日付は3月20日でした。請求文書は、愛知県条例「自然環境の保全・緑化の推進に関する条例」(昭和48年制定)に基づく大規模行為届出書でした。

愛知県林務課対応に関する情報公開請求(請求日3月9日)していた文書の開示決定期間(3月9日から3月23日)が延長されました。延長期間は3月9日から4月21日となりました。

延長決定通知書の日付は3月22日でした。請求文書は、2021年夏頃に森林法違反の是正措置対応に関する文書一式でした。

不思議です。

2件の愛知県への情報公開開示決定期間延長通知には、2件とも「開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されており、当該第三者に意見書を提出する機会を付与する必要があるため」となっていました。

愛知県情報公開条例第12条には、 「開示請求があった日から起算して15日以内にしなければならない」と規定されています。15日は「努力義務」ではなく、「義務」なのです。

ただ同条2項には、「事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を 30 日以内に限り延長することができる」とも規定されています。

今回の事例のどこに、「事務処理上の困難その他正当な理由がある」と言えるのかを愛知県環境保全課、林務課担当者に質問しても納得できる回答はありませんでした。

環境保全課担当者が「情報公開条例に責任を持つ県民総務課と協議した結果」との説明を繰り返すため、直接判断した県民総務課担当者と話をしたいとも依頼しましたが、「県民総務課は個別案件には答えないと言っている」との回答でした。

今回の第三者は、昭典木材(株)となります。愛知県林務課、環境保全課の担当者は、「法人の印影」「法人の特許情報など経営に影響を与える情報」などがあり、通常、第三者照会(照会したのは開示決定期間終了間際)を行っているとも主張していました。

この主張がおかしい。

今回、新城市指導要綱に基づく申出書の開示に対して、「公文書であるため、昭典木材(株)への照会はしていない」との話であり、新城市の対応から考えて愛知県の対応に疑問が深まりました。

今回開示された新城市の情報公開開示決定通知書には、不開示情報として「法人の印影及び区長の陰影」「法人の資金計画情報」「添付写真における特定の個人を識別できる箇所」が明記されてあります。

不開示情報として理解できるものです。愛知県としても同様な対応をしてきたと考えられます。

「法人の特許情報‥‥」にしても、普通に考えれば、法人の経営の核となるような機密情報が、工事申請に求められるようなことはないのではないでしょうか?

長いやり取りしても納得できませんでしたが、やり取り後半には「白井さんの主張は、延長決定が愛知県情報公開条例違反だ、と理解しても良いのか」との脅されている様に感じた発言もありました。

延長決定に不満は残りますが、行政には従うしか手の打ちようがありません。

現段階で、新城市指導要綱に基づく申出書を入手できました。

申出書からわかる事項を時間順に書いてみます。

2020年2月10日  昭典木材(株)から新城市に土地開発行為協議申出書が提出される。新城市関係各課で、申出書に基づき検討が始まる。

2020年3月6日  新城市から昭典木材(株)に協議結果通知書が出され、工事着手へ続いていきました。

2020年3月24日  昭典木材(株)から新城市に工事着手届が提出される。

新城市指導要綱には、工事完了届出を求めていましたが、情報公開資料にはありません。工事は完了していなかったのか?

工事完了届出がないまま、2021年7月頃には、愛知県林務課が森林法に基づく指導に入っています。東三河建設事務所建築課、新城市都市計画課もその指導を認識しています。

弁護士の回答「1ha未満の開発行為として新城市指導要綱に基づく新城市との協議を進めました」の通りに、新城市に申出書が出されていました。

新城市指導要綱に基づく申出書に明記されている開発面積は、約0.9ha。

弁護士の回答には「愛知県の指導要綱において、1ha以下の開発行為は適用除外」との認識も示されていました。申出書通りに工事が進められていれば何の問題もなかったのです。

現実の開発行為は1ha以上だったため、愛知県林務課が是正措置を求めざるを得なくなってしまったのです。

これまでに情報公開で入手した資料から以下の推測もできます。

当初の計画図面と最終図面との大きな違いは、工場敷地周辺の治山対策(土砂崩れ対策)です。最終図面では、かなりの面積の治山対策、森林法による調整池の設置などが図面化されています。

愛知県林務課が指導に入ったのが2021年7月頃。熱海市伊豆山土石流災害が起きたのが2021年7月3日。

噂では、「伊豆山土石流災害を受けて愛知県でも山間地での土石流災害への警戒が高まり、昭典木材(株)の工事への調査に入ったのでは?」というものもありました。

昭典木材(株)が工事を始めた約1年4ヵ月後、熱海で土石流災害が発生したため、愛知県林務課が工事の存在を知ったとも考えられます。

当初の計画において、森林法を無理解なまま新城市に工事の申出を行い、新城市も森林法を見逃していたのか?

愛知県林務課は、正規な林地開発を優先し原状復旧を求めようとしたが、既に工場建設敷地の造成が終わり、建屋建設も進んでいたため、愛知県各課の協議を行ったということか?

その結果、愛知県指導要綱で必要とされていた事前協議を行わないこととし、愛知県条例、都市計画法に基づく対応を、昭典木材(株)に求めたように思います。

愛知県からの説明がありませんので、いろいろ推測もできますが、疑問はなくなりません。

昭典木材(株)は、新城市に出した申出書に明記された開発面積をなぜ守らなかったのか?なぜ、工事変更を新城市と協議しなかったのか?

新城市は、昭典木材(株)からの工事完了届が出されていないことをなぜ見逃してしまったのか?

昭典木材(株)は、1haを超えないから新城市指導要綱に従うことを認識しながら、当初の計画の3倍もの開発面積拡大となったのであれば、愛知県の指導要綱の手続きを忘れるとは考えられないが?

今回の工事着手は、愛知県条例に基づく大規模行為届出、都市計画法に基づく開発許可申請の約1年9ヵ月前ということになるが、愛知県はどの様な判断をしたのか?

昭典木材(株)は、2021年11月に中小企業庁の事業再構築補助事業に採択されていますが、前年度から既に始まっている事業が、補助事業の対象になるのか?

おそらく、愛知県林務課は、森林法違反と見られる状況が発覚(2021年7月頃)して初めて、昭典木材(株)の事業を知ったと考えられます。

愛知県林務課、東三河建設事務所建築課が、是正に動き始めた2021年7月頃からの対応が分からないと、愛知県の対応が適正だったかは分かりません。

愛知県の対応について確認するために、2021年7月頃に是正に動いた愛知県林務課、東三河建設事務所建築課が行ったと思われる昭典木材(株)との協議文書を情報公開請求しています。

愛知県林務課に残る協議文書は、冒頭に書いた通り、開示決定期間が延長されました。

東三河建設事務所建築課に残る協議文書の情報公開請求(請求日3月13日)に関しては、未だ何の連絡はありませんが、これまでの経過から考えて、近々延長決定通知が来そうな気がします。

愛知県として、公平・公正な行政対応を遂行していたのか?

もしかしたら、適正な対応が行われていたかもしれません。それなら、なぜ素早い説明責任を果たそうとしないのか?愛知県行政が県民を大切にしているとは思えません。

もし、特別な対応があったとしたら、愛知県としての行政手続きが崩れてしまったと判断するしかありません。

今回の昭典木材(株)の新工場建設関係の色々な噂が流れていました。愛知県と共に峰野県会議員が自らの説明責任を果たし、愛知県行政の信頼を守って欲しいと思います。

愛知県への情報公開申請に対してまだ3件が開示されていません。たかが県民の一人でしかありませんが、自分の納得のためもうしばらく動いてみようと思います。
  

Posted by みちひろ at 09:24Comments(12)行政関係

2023年03月15日

説明責任は果たさないのか?

昭典木材(株)の竹ノ輪工場の手続きに対する疑問は解消されていません。

この間、昭典木材(株)の代理人である弁護士(以下、弁護士)からの3通の通知、新城市への情報公開請求2件(1件は開示決定待ち)、愛知県への情報公開請求が3件(2件は開示決定待ち)、新城市、愛知県担当課との打合せを何回か行ってきました。

森林法、都市計画法、愛知県土地開発に関する指導要綱・指導基準(以下、愛知県指導要綱)、愛知県自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例に基づく大規模行為届出(以下、大規模行為届出)、新城市土地開発行為に関する指導要綱(以下、新城市指導要綱)への対応が必要なことがわかりました。

愛知県、新城市担当課に出かけたり、こちらが情報公開請求などで事実を積み上げて、やっと上記の対応の必要性がわかりました。疑問を感じなければ敢えてここまで考えませんでした。

しかし、まだ必要な申請が行われていたかはわかりません。いくら担当課に尋ねても「個人情報」を盾に、申請の有無さえ明確にしてくれません。結局は、「情報公開請求して欲しい」ということになりました。

こちらは当初、愛知県、新城市との愛知県指導要綱に基づく事前協議無しで、昭典木材(株)が新工場操業まで進めているかもしれないとの疑問から動き始めました。

弁護士からの最初の回答では、「大規模行為届出は完了している。何を聞きたいのか」だったのが、こちらから事前協議の不備を指摘すると、「最初は1ha以下の造成工事だったため、申請が要らないと判断していた。しかし、愛知県東三河建設事務所建築課から1haを越えているとの指摘を受け、都市計画法に基づく開発許可申請を提出している。事前協議は失念(うっかり忘れた、記憶にはあったが忘れていた)していたことを大変遺憾に存じる」との回答に変わっています。

愛知県、新城市、愛知県行政に責任を持つ県議会議員であり昭典木材(株)の役員である峰野修氏が、自ら説明責任を果たそうとする姿勢が見えません。

明らかに新城市、愛知県担当課による不手際が存在しています。

弁護士の回答の様に、最初は申請の要らない1ha以下だったと考えていたかもしれませんが、現実は1haを越えていたのです。

その実態を愛知県林務課に指摘され(このことは弁護士からの回答にはありません)、その情報が愛知県東三河建設事務所建築課と共有され、林務課、建築課がそれぞれに動いたということです。

問題発覚後、どの様な対応があったかはわかりません。どちらの課からも一切説明はありません。情報公開請求で、実際の対応を判断するしかありません。

僕の疑問に答えようとする真摯な対応はありませんでした。

愛知県として事後に適正な対応を取っていたかもしれませんが、「個人情報」「守秘義務」を盾に自らの説明責任を果たさない対応に異様さを感じます。

公的な申請手続きがなければ、事業着手ができないはずです。事業着手となっていれば、申請は「有」は明らかです。申請の有無まで「守秘義務の秘密」になるのでしょうか?そういうものでしょうか?

現実問題として、必要な手続きを認識していない事業者がいるでしょう。愛知県としても認識がないまま事業着手してしまった場合の対応も様々経験してきていると思います。

「何が何でも、手続きが完璧でなければ許可してはいけない」と言っているのではなく、市民に公平な対応であって欲しい、市民が納得できる対応をして欲しいのです。

愛知県、新城市担当課、峰野県議会議員から「いろいろな不手際があったが、今後の愛知県行政に市民からの不信を残さない対応をした」と自信を持った回答が欲しいのです。そして、その対応を具体的に説明して欲しいのです。

ここまでの結果から、大きな疑問はまだ払拭されていません。

弁護士の回答のように、最初は1ha以下だから申請手続きは要らないと考えたとしても、

①新城市指導要綱の申請は、1ha以下の事業に対しての事業となりますので、申請されているはずです(弁護士の回答では申請済み)が、その有無は情報公開請求で確認するしかありません。

②愛知県林務課・建築課が指導に入ったのは、1haを越えていたからですが、現在操業中の認可工場の開発面積は3ha余です。「どうせ1haを越えているなら、大きな工場にしようとしたのか?」なぜ、最初の事業と分けずに、事業拡大面積を一体として認可したのか?

説明責任を果たそうとすれば、簡単な問いかけだと思います。現実に、その時に判断した根拠を示すだけです。

愛知県・新城市の対応を確認するだけで、既に何ヵ月も時間を要しています。市民にとって、行政の在り方を問う場合のハードルの高さを感じています。

政治家、行政は何のために存在しているのでしょうか?市民が希望を感じられる社会づくりのために存在して欲しいものです。

僕が今回の行政・政治家の対応で感じたものは、市民の信頼を勝ち取ろうとするのではなく、自分たちの存在を守ろうとする対応でした。

「不備があったが、法令遵守で対応したから問題無し」という結論が待っているのでしょうか?
  

Posted by みちひろ at 16:02Comments(9)行政関係

2023年03月09日

赤信号みんなで渡れば怖くない

3月9日、予定通り昭典木材(株)の件で、都市計画課と打合せを行いました。担当者2名(内1名は課長)が対応をしてくれました。

打合せ時間は1時間30分くらいでしたが、「新城市の責任ではなく、許認可権者である愛知県の対応に追随してきただけだ」という結論に終始していたように思います。

今日の打合せの新城市担当課の主張を要約します。

「新城市は開発許可申請を受け付けたが、許認可権は愛知県にあるので、申請内容には踏み込む必要はない。書類の有無を確認する程度である。

申請内容は、毎週火曜日に開催されている建築相談会(愛知県主催)で昭典木材(株)代理者と愛知県担当者が協議していた。その場に新城市担当者も同席していたので、申請事業については確認できていた。

建築相談会で協議が始まる前に、愛知県林務課により造成工事が進んでいる(2021年夏頃)ことを確認している。

都市計画法による申請の前に、造成工事に着手している(申請書類にある着手届出が虚偽申請になる)ことは違法であるが、愛知県の判断に従った。

開発行為に関する指導要綱に規定されている事前協議も、現実に合わないので事前協議は無しとすること、事後対応にし、個別法により愛知県担当課間で調整するとした愛知県判断に従った。

その結果、都市計画法(着手前の申請という大前提を無視)、指導要綱に拠らず、都市計画法の開発申請・許可に進んだ」

これだけはっきり、違法行為、行政手続き違反を実行してきたことを平然と語られたことに驚きました。

新城市職員にとって、それほど愛知県という組織が大きいもののようです。

何回も出てきた言葉は「愛知県が判断したことだから」というものです。愛知県が判断することに疑問を感じない姿勢では、自立した市政は望めないですね。

愛知県担当課だろうと、法律、指導要綱などは勝手に解釈できるはずはないのですが、新城市の担当者には愛知県担当課の判断が絶対だったということがわかりました。

はっきりしたことは、開発許可申請の数ヵ月前には、既に造成工事が進んでいたのです。

まるで、この造成工事の延長上に、今回の新工場建設が計画されていたかのように見えてきます。

愛知県担当課は、これまでもこの様な大規模開発で、申請手続きも取らない事業者の側に立ち、事業進行を進めてきたことがあるのでしょうか?

噂で何人もの人から、昭典木材(株)が工場建設で愛知県から指導を受けていた(2021年夏頃らしい)ということを聞いていました。

「愛知県から、現状復旧を求められている」という指導らしいことを、峰野県会議員から聞いたという話も伝わっていました。

現状復旧を求められた工場建設と、今回の新工場建設と関連があるのか?疑問が湧いてきます。

それで、愛知県林務課にこの日に行ってきました。

確かに、2021年夏頃に、林務課は昭典木材(株)が進める造成工事において、森林法違反の事実を確認し、是正措置対応を続けていたようです。

その是正措置対応経過については、情報公開請求をしてくれとのことで、詳細については何も教えてくれませんでした。

「現在操業を開始した昭典木材(株)の新工場の造成工事において是正措置が完了しているか?」さえ、情報公開請求で確認して欲しいとのことでした。

本日付で情報公開請求しました。

今回どの行政担当課に出向いても、「法律、条令、指導要綱を遵守した対応をしている」との説明はありません。市民を納得させるだけの説明は皆無です。

不思議ですが、その都度対応しているのでしょうか?

もし、このようなことが続いているとしたら、愛知県担当課の意向次第で、開発の許認可が行えることになります。

ますます、行政手続きの信頼性への不安が大きくなってきました。「赤信号みんなで渡れば怖くない」というような対応で終わってしまうのでしょうか?

もし、愛知県庁内での意思統一がされているとしたら、事実をこじあけることは簡単ではなさそうです。思い返せば、国でも議事録さえ書き換えるくらいのことはやっています。

地方政治から政治の不誠実さを見ている様な気がします。「投票に行きましょう。あなたの一票が政治を変える」。素直に共感できるスローガンにしたいものです。



  

Posted by みちひろ at 15:05Comments(2)行政関係

2023年03月08日

昭典木材(株)の件

2月17日付で昭典木材(株)に関する都市計画法に基づく関係申請書類を情報公開請求していました。

開示決定通知連絡が3月3日に入り、3月6日に関係書類を入手しました。全資料のコピーを入手しました。A4-106枚、A3-20枚、A1-18枚、A0-1枚となりました。枚数は数え間違いがあるかもしれません。

関係書類から日時順に工場建設の流れを示してみます。

2021年11月1日   新城市消防本部 田中消防長から、昭典木材(株)に開発行為の申請に伴う消防水利施設に係わる協議事項同意の回答が出される。

2021年11月30日  中小企業庁から、事業再構築補助金第3回公募の採択結果が公表された。昭典木材(株)が採択されたことになりました。この情報は、ネット検索で確認した情報です。

2021年12月16日  道路管理者である下江新城市長から、昭典木材(株)に開発行為に対しての協議事項同意の回答が出される。

2021年12月21日  昭典木材(株)から新城市担当課に開発行為の許可申請が出される。

2021年12月23日  市役所内で「愛知県知事あてに送付する」旨の決済が下りる。決裁者は課長。

2021年12月24日  愛知県が開発行為の許可申請を受け付ける

2021年12月28日  昭典木材(株)が愛知県に大規模行為の届出を行う。今年の3月7日、愛知県担当課(環境保全課)に直接確認。

※大規模行為の届出制度は、「自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例」に基づいています。この制度に基づけば、大規模行為に着手する61前に届出をしなければなりません。

2022年1月4日   愛知県から開発許可が下りる。

2022年1月6日   昭典木材(株)から愛知県知事あてに開発行為着手届出が出される。

上記の様に申請から新工場建設着手まで動いてということになります。

ここまでの情報で湧いた疑問を並べてみます。

①大規模開発行為届出制度がなぜ無視されたのか?

大規模行為の届出は、2021年12月28日です。

大規模行為の届出は、着手61日前に出すことになっています。上記の流れでは、大規模行為届出制度のルールを守っていません。

大規模行為届出制度には、知事の着手禁止期間の短縮措置がありますので、この措置を受けている可能性はあります。その場合は、短縮措置の通知が昭典木材(株)に出されていることになります。

短縮措置の通知の有無確認のために、3月7日、愛知県に情報公開請求をしました。

②新城市に、昭典木材(株)から開発許可の申請が出されたのが12月21日、庁内決裁が下りたのは12月23日。わずか数日で、現地確認、地元確認、書類確認ができるのか?

開発許可申請書類を受け取った場所で、新城市担当者に確認してもあいまいな回答しかありませんでした。

③愛知県が厳格に守ってきた「愛知県土地開発行為に関する指導要綱」に規定されている昭典木材(株)と愛知県・新城市の開発許可申請前の事前協議が行われなかったのはなぜか?

新城市担当者に確認すると、「指導要綱の規定は知っている。今もその規定は守るべきものと理解している。しかし、開発許可申請がされた時、事前協議の有無については考えなかった。別の担当課が対応しているかもしれない」などと責任放棄とも取れる回答しかありません。

④愛知県が開発許可申請書類を受け取ったのが12月24日、許可したのが翌年1月4日。正月休みを考えれば、審査期間は5日前後となります。これだけの開発行為の審査がこれほど短い期間で可能なのか?また、なぜこれほど急いだのか?

愛知県と昭典木材(株)で事前に調整が行われていれば、短期間での審査も可能とも思えますが、それなら指導要綱に基づく事前協議を行なえば良かったと思います。

➄前前項、前項の件で、新城市担当課は疑問を持たず、愛知県に何の指摘もしなかったとすれば、新城市の地域に責任を果たしたと言えるのか?

⑥開発許可申請書に工程表が含まれていました。造成工事が着手日から3月20日前後となっていますが、3haもの大規模開発が、わずか3ヵ月弱で可能か?

3月9日に、開発許可申請の愛知県送付決裁者である都市計画課の課長と打ち合わせを持つことになりました。

これまで、昭典木材(株)社長、峰野県議会議員にも直接確認しようとしましたが、代理人弁護士に委任されていますので、自分たちで事実確認を続けていきます。

代理人弁護士には、3月1日に返信し、事実確認をお願いしてあります。

何回も強調しますが、行政手続きに市民に対して不公平の取り扱いがあってななりません。例外を認めれば、愛知県、新城行政の規律は崩れていきます。

今回の件の事実はどこにあるのでしょうか?
  

Posted by みちひろ at 09:55Comments(0)行政関係

2023年03月03日

事実を知りたい

長年、新城市政に関わってきたせいもあり、いろいろな情報を伝えてくれる友人がいます。噂話を出ないような情報もありますし、放っておけない情報もあります。

放っておけないと思った情報の一つに、昭典木材(株)が竹ノ輪で操業を開始した木材工場の件があります。

情報を寄せてくれた友人は新城市役所の元職員です。友人の最初の声を下記(「 」内)に要約します。

「(2022年)5月に昭典木材(株)の工場見学に行った。その場で、昭典木材(株)の社長の説明に加え、社長の父でもある峰野県議会議員からも説明があった。

峰野県議会議員の方が、説明に熱が入っており、工場建設の苦労話から、国からの支援を受けた事業であることなどを聞いた。

広大な山を造成した工場だったので、許認可には相当な労力と時間が必要と思われ、果たして必要な行政手続きが行われているのか疑問を感じた。

自ら愛知県の担当部署に電話または出かけ、行政手続きの有無を確認したが、明確な回答が得られなかった。

もし、必要な行政手続きが行われていなかったとしたら、守るべき愛知県職員が、行政手続き踏み外すことになり、愛知県行政が揺らいでしまう。

自分が市役所職員であった時は、愛知県職員の対応は行政手続きに厳格で、その対応に相当な労力を費やしていた。

今回の件で、その愛知県職員が自分の疑問に明確に応えられなくて、いろいろな部署をたらい回しにされた。愛知県職員の混乱ぶりが、余計に疑問を大きくさせている」

友人は、その疑問を具体的に、愛知県、国の行政手続きの基本から僕に伝えてくれました。

その後、状況を共有しながら僕もいくらか動いてみました。問題を具体的に示します。

今、僕が理解している行政手続きとし必要なものは、3点です。

1点目、都市計画法第29条(開発行為の許可)に基づく開発行為に対する知事への許可申請・許可。愛知県への申請書類を、新城市を通して愛知県に申請するため、新城市には申請書類が存在しています。情報公開でその書類を申請しています。

2点目、都市計画法に基づく申請の前の「愛知県土地開発に関する指導要綱・指導基準」(以下、指導要綱)に基づく愛知県・新城市の事前協議。愛知県・新城市との事前協議書が存在するはず。

3点目、「自然環境の保全及び緑化の推進に関する条例」に基づく大規模行為届出制度に基づく届出。届け出は、工事開始の61日前という前提があります。

1点目は、申請され許可が下りているようです。3点目は、届け出は完了しているようです。

しかし2点目は、愛知県、新城市に情報公開請求したところ、ともに資料は存在していないため開示ができないとの回答を得ています。

ここで友人は「愛知県行政が崩れているのか?」と疑問が渦巻いていたようです。

行政手続きとして、愛知県は都市計画法に基づく申請の前に、事前協議を義務付けてきました。友人が現職の時も、厳格に事前協議が実施されていたとのことです。

指導要綱第4第2項には「事業者は、前項の協議(知事との協議)を申し出ようとする場合には、土地開発行為協議申出書を当該開発区域が所在する市町村の長を経由して知事に提出しなければならない」と規定されています。

指導要綱第4第5項では、市町村の長は、地域の意見を「知事に意見を申し出るものとする」としています。

従来の愛知県行政ではありえなかったことが起きているように思います。

新城市の担当者に、行政手続きの不備について愛知県に確認を依頼したところ、愛知県担当部署からの説明は、「既に事業が進んでおり、事前協議が適用できないため、個別の法律で不具合なく対応している」とのことだったと電話連絡をもらいました。

もし、事業が既に進んでいたとすると、都市計画法に基づく対応も、大規模行為届出も事後対応だったのでは疑問が湧いてきました。

特に大規模行為届出は、工事開始前61日という前提があることを考えた時、友人が工場見学をしたのが2022年5月、届出がされたのが2021年12月29日(愛知県担当者への確認。弁護士とのやり取りで明確になるはず)です。

単純に考えて、工事開始可能なのは3月に入ってからになります。わずか数ヵ月で工場稼働まで工事が完了できるのかと疑問が湧きます。

友人と二人での調査では、何が事実かはっきりしないため、昭典木材(株)関係者に連絡を取りました。

峰野県議に連絡すると、「申請対応すべてを社長が進めていたので、私にはわからない。社長本人に聞いて欲しい」と言われました。

社長に電話すると「申請手続きは行政書士に任せたので、自分ではわからない。行政書士に確認する」となり、再度確認すると「行政書士は年度末で忙しく、対応は4月になってからでないと難しい」となったため、行政書士と直接話をすることを依頼しました。

その後いきなり、名古屋市の弁護士から、「昭典木材(株)から委任されたので、代理人として対応をする。関係者への直接の連絡はご遠慮いただきたい」との書面連絡が入りました。

こちらは、事実を知りたいだけなのに、いきなり弁護士が出てきました。

峰野県議会議員が昭典木材(株)の直接の関係者でないかもしれませんが、親族経営の会社について向けられた疑問には、誠実に本人が答えて(16年間も県議会議員を務めているので、行政手続きは熟知しているはず)欲しいものです。

代理人弁護士が立てられた今、代理人弁護士とのやり取りから事実を探っていくしかないのかもしれませんが、おかしなことが多いですね。

もし、ぼくらの推測が正しければ、愛知県での開発行為は、指導要綱が無意味になり、もし工事が進んでいたとしても、愛知県から指摘されたら申請したり、届出したりすることもできるということになります。

指導要綱の目的には、「土地の開発行為に関し協議その他必要な事項を定めて、法令の規定に基づく許認可申請の前に、あらかじめ、総合的かつ計画的な見地から開発行為について適正な指導を行うことにより、県土の秩序ある利用と保全を図ることを目的とする」と明記されています。

立派な目的だと思います。法令に基づく本申請の前に、より慎重に開発協議を行い、開発行為が申請者の独断専行を防ぐ防波堤になっていたと思います。

事実は明らかになると思いますが、昭典木材(株)の工場建設が、愛知県が守ってきたルールを踏み外していないことを祈るばかりです。

そうでなければ、愛知県は、指導要綱を破棄するしかないのです。友人の心配はそこなのです。
  

Posted by みちひろ at 09:27Comments(7)行政関係

2022年11月29日

すべての権限は、市長・議会のものである

今年の3月に、市民自治会議に、以下の思い(赤字)で要望書を提出しています。

「市民自治会議のみなさんに、自治基本条例違反の有無を検証し、違反が確認されれば、市長、議会に是正を求めて頂きたいと考え、本要望書を作成いたしました」

「共同調理場建設事業(給食センター建設事業のことです)は、進行中の事業であり、もしこのまま進行してしまえば、多くの市民には関係ない、単なる箱物施設になってしまうことに危惧しています。

子どもたちの健全な成長を願い、市民が支え合う施設としてより市民に身近な施設とするために、自治基本条例の通り、市民への情報提供を真摯に実行していただけるように、少しでも早い検証をお願いいたします」


要望書は、現在進行中の給食センター建設事業に関してのものです。

要望書は、建設事業予算が議決する前に結論を要望しています。

要望書は、提出後約一年間が経ちます。心配していた予算案が12月議会に出されます。

心配して、市民自治推進課に行ってきました。担当課からは以下のように言われました。

「要望書なので回答しない。自治市民会議で議論しているし、結論は市長答申される。答申は、3月になる」

「自治基本条例に反していると言うが、自治基本条例は理念条例なので、守る努力がされていれば良い。みんなで、自治基本条例に規定された峰をめざすものである」

「罰則がない条例なので、努力条例である」

「白井さんは、自治基本条例が新城市の憲法と言われるが、ルールブックという認識である」

「議会が付帯決議(今年の3月議会)で、行政にこれまでの不手際を検証し、市民への説明責任を果たせと議決した。これにより、自治基本条例に沿った対応がされた」

「白井さんは、白紙に戻せと言うのか?」

「自治基本条例が最初に制定されたニセコ町の取り組みは知らない。なぜ、ニセコ町に自治基本条例が求められたか知らない」

自治基本条例が制定されて10年目を迎えています。

上記が担当課の自治基本条例の認識です。

自治基本条例の理念が、新城市のすべての政策に活かされているかを検証すべき担当課が、10年目にしてもこの程度の認識です。

これでは、自治基本条例を守ろうとする意識は生まれようがありません。

自治基本条例の解説で以下(赤字)を強調したのが、担当課である市民自治推進課です。

「平成17年10月1日、旧新城市、旧鳳来町、旧作手村の3市町村の新設合 併により新城市は誕生しました。

市は、第1次総合計画を策定し、「協働」のまちづくりによる「市民自治社会の実現」をめざします。

これからの地方分権時代には、地域やそこに住む住民が、創意工夫をこらして自立的な地域運営をしていかなければなりません。

こうしたことから、自治体の運営については、地方自治法など既存の法令には定められていない事項についても自治体が独自に 姿勢を明確にしていくことが必要になってきます。

そのルールブックになるものが、自治基本条例です。」

「他の条例、規則、要綱 などを制定及び改正する場合は、この条例の趣旨を尊重し、この条例の内容と 整合性を図らなければならないことを定めています。」


自治基本条例は、新城市には「猫に小判」でした。

ルールブックと言うのであれば、守らなければダメでしょう。守る努力しか求めないルールブックは、世間では存在しません。

盛り上がっているカタールで開催されているサッカーのワールドカップでも、ルールブックは絶対です。ルールブックが基本で運営されているはずです。

新城市では、ルールブックは、守る努力をするものと言っています。しかし、自治基本条例を作った張本人である議会と市長がルールブックを守ろうともしていないのです。

解説では、「自治体が独自に姿勢を明確にする」とも強調してもいますが、担当課の認識では、「ルールブックでも守らなくても良いよ」という姿勢が明確になっています。

新城市のルールブック「自治基本条例」の要である3原則「市民が主人公」「参加協働」「情報の共有」の3原則がすべて無視された事業が給食センター建設事業なのです。

新城市のルールは、市長、議会が決めることがルールなっています。

いくら自治基本条例に立ち返れと言っても、自分たちの立場を守ることに注力しています。

市長も議会も自分たちに与えられている権限が自分のものと考えていますが、その権限は市民から委託されているだけではないでしょうか。

今の認識は、世界不安の元凶であるロシアのプーチン、中国の習近平に代表されるリーダーの認識に通じるものです。

市民から署名行動なので、自分たち(市長、議会)の決定に異論を唱えられてしまったことを重大事として認識できるリーダーであって欲しいものです。

声を挙げた市民に納得してもらえる最大限の努力を規定しているのが、自治基本条例の3原則であると考えています。

異論を唱える人は変わった人と切り捨てる新城市であって欲しくないものです。かと言って異論が正論と言っているのではなく、議論を尽くすことが大切だと言っています。

民主主義は、議論を尽くした上での多数決が原則だと考えています。新城市の民主主義の劣化が心配だと繰り返し主張してきましたが、何も変わっていません。

今回の給食センター建設事業は、新城市にとって最大事業と言えるものです。おそらくこれ以上の大規模事業は、財政面から判断して、二度と出てこないでしょう。

だから、対立を残したままの事業にして欲しくないのです。

「合併特例債の期限がある」ことを理由付けにするでしょうが、財政面以上に「市民自治」を重視することが必要だと考えます。一旦、白紙にするぐらいの責任が市長、議会に求められています。

おかしいという声が表面化して2年ぐらいが経ちますが、この間、何の説明をしなかった責任を果たして欲しいと思います。

僕が要望した件について、市民自治会議の鈴木誠会長に直接連絡を取りたいとの要望を担当課に投げかけています。

12月議会議決前に、市民自治会議の結論が出なければ、要望は無視されたことになります。約1年前に出している要望です。

参考に要望書を以下に載せます。




2022年 3月 11日

新城市自治市民会議 鈴木 誠 会長

要 望 書

現新城市において、自治基本条例違反が行政、議会が主導を取りながら進められています。その条例違反は、共同調理場建設事業に於いてです。

共同調理場建設事業が始まり、すでに4年余が経過していますが、行政、議会から説明を受けたことがありません。私自身が、共同調理場建設について知ったのは、決定されたという結果だけでした。

「市民が主人公」に責任を持つ、行政と議会だけで建設事業が進められてきました。

新城市自治基本条例には、下記の様に明文化されています。

第2章 まちづくりの基本原則

(まちづくりの基本原則) 第4条 まちづくりの基本原則は、次のとおりとします。

(1) 市民主役の原則 市民一人ひとりが主役となってまちづくりを進めます。

(2) 参加協働の原則 市民、議会及び行政は、積極的な参加と協働によりまちづくりを進めます。

(3) 情報共有の原則 市民、議会及び行政は、互いに情報を共有し、まちづくりを進めます。

昨年12議会でのカークランド陽子議員の「共同調理場にするという決断をする前に、市民の声を聞きましたか?」との問いに、「直接市民や学校関係者の声が反映されているかわからない」との市長答弁がありました。

また、3月議会でのカークランド陽子議員の「共同調理場建設決定を保護者に伝えましたか?」との問いに、「決定を伝えるタイミングがうまく取れませんでした」との市長答弁がありました。

公開の場での市長答弁でさえ、市民への情報提供が行われず、「議会が議決してくれた」という言い訳もありましたが、明らかにまちづくりの基本原則からの逸脱です。この現状を放置すれば、自治基本条例自体が有名無実化してしまいます。

議会は、議会基本条例違反の現実を問題にすることもなく、共同調理場建設事業を粛々と進めようとしています。議員の中には、市民への説明責任を果たすべきと考えている方もおられますが、多くの議員は、「ここまで進んだ事業に反対するな」と言わんばかりの態度に終始しているようです。

一市民としては、多数に無勢で深刻な事態を憂えるばかりです。そのため、新城市自治基本条例の「第24条 市長は、この条例の実効性を確保するため、市民自治会議を設置します」という条文に基づき、市民自治会議のみなさんに、自治基本条例違反の有無を検証し、違反が確認されれば、市長、議会に是正を求めて頂きたいと考え、本要望書を作成いたしました。

共同調理場建設事業は、進行中の事業であり、もしこのまま進行してしまえば、多くの市民には関係ない、単なる箱物施設になってしまうことに危惧しています。

子どもたちの健全な成長を願い、市民が支え合う施設としてより市民に身近な施設とするために、自治基本条例の通り、市民への情報提供を真摯に実行していただけるように、少しでも早い検証をお願いいたします。

                〒441-1341 新城市杉山字前野16-2
                           白井 倫啓
                        TEL  090-1290-2224
                        eメール slmichihiro@yahoo.co.jp
  

Posted by みちひろ at 11:46Comments(6)行政関係

2022年11月23日

新城市をあきらめるしかない

今日(11月23日)の中日新聞東三河版に、「給食自校式継続を求め、市長に5738名分署名簿」の見出しの記事が報道されていました。

給食センター建設事業が動きだしてから5年くらい経ちますが、未だに多くの市民の関心は薄いままです。

総事業費が40~50億円とも言われる大事業です。

そんな大事業でさえ、市民の意見を聞かないまま、その場その場で市長提案され、内容を理解できていなくても、多くの議員は粛々と賛成してきました。

給食センター建設事業の既成事実が積み上げられ、後戻りはできないという状況を市長と議会が作り出してきました。

総事業費もしらないまま、どんな場所に建設するか調査もせず、子どもの数が激減することを無視して(建設後すぐに過大な施設になる)、多くの議員は何の疑問も持たず、市民への説明責任も果たさないままここまできました。

記事によれば、来年4月から本格的な着工が始まるようです。

新城市の独裁的な特徴が表れています。これまでも同様ですが、動き始めたら市民では止めることができませんでした。

正直なところ、給食センター建設事業を止める可能性は低いと考えています。

今回、5000名を大きく超える署名を集めた市民の頑張りには頭が下がります。僕自身の貢献はほとんどありません。

なぜ、声を挙げてくれる市民と向き合おうとしないのか?異論を唱える市民を巻き込む努力は皆無です。

市長と議会がタッグを組めば、何も怖いものはありません。このタッグを打ち破れたのは、ただの一回、新庁舎建設事業の住民投票だけでした。

しかし、その住民投票でさえ、結果が市民側に軍配が上がったにもかかわらず、市長も議会も悪びれることなく、市民説明をしないまま、勝手に自分たちの見直しを強行しました。

議員活動、市長選挑戦の長年の経験が、市民の意識、市長、議会のやり方を変える困難さを意識し、解決方法が見えてきません。

期待した市民を主人公と明記した「自治基本条例」は、骨抜きになっています。

新庁舎建設事業の時もそうでしたが、求めていたのは、新城市の将来を見据えた政策の中に建設事業を位置付けて欲しいということでした。

市民が新城市に愛着を持ってもらうためには、自治基本条例に明記した市民、行政、議会の協働が不可欠です。

まちづくりは困難な事業ですが、市民が自分事として参加してもらうためには、どうしても情報提供を前提とした、協働が必要なのです。

新城市は、国の強制的な合併政策にあらがうこともせず、新城市・鳳来町・作手村の大合併に突き進みました。

面積が愛知県の2位の広さ、そこに4万数千人の人しか住んでいないのです。すべての市民に行政サービスを行き届かせることは並大抵のことではありません。

愛知県の市で一番財政力が乏しいのだから、より財政規律に厳しく取り組まない限り市民サービスを守ることはできません。当たり前のことです。

「有利な財源だから大丈夫」と合併特例債の使用限度190億円ほどを、給食センター建設事業を最後に使い果たします。結果、財政余裕はますますなくなるでしょう。

当たり前です。有利な財源と言っても借金です。借金はしないにこしたことはありません。

少しでも、費用対効果を考え、最小の経費で最高の効果を上げるように考えることを市民から委任されているのが市長であり議員なのですが。

何を勘違いしているのか、選挙で選ばれたのだから、すべての権限を与えられているかのように振舞う態度がたびたび見られます。

給食センター建設の記事の上に、上下水道料金値上げの記事が載っていました。

二年後には、一般的家庭(3~4人)で2割以上の値上げとなり、7千円強になります。ますます近隣市町村との差が大きくなります。

この値上げは、人口減少とともにさらに続くことが想定されます。維持管理費を、対象戸数で支えるしかないからです。

もし、値上げを抑えようとすれば、新城市財政から負担せざるをえません。

市道、橋、公共施設などの維持管理費を考えれば、新城市財政に余裕はありません。ますます、市民の負担は増えていくでしょう。

この状況に耐えられなくなれば、近隣の市に移住してしまうでしょう。

現状でも、結婚を機会に、他市に移住し、他市から市役所に通う職員が増えているようです。職員家族にも選ばれない新城市となっています。

少子高齢化が年々深刻になる新城市です。将来を見据えた運営が必要不可欠ですが、大事業を進めることはあっても、具体的な少子高齢化対策は示されていません。

こんな時に、借金に頼る大事業を少数の人間だけで決定して良いのでしょうか?

いいはずありませんが、現実は、事業詳細の検討がないまま、だれかの一存で給食センター建設事業が決定されたという感じです。

5000を超える署名は、「慎重に扱います」と言うかもしれませんが、計画変更の材料にする気はないでしょう。

何が何でも給食センター建設というごり押しが心配です。

作手地区は、親子方式(小中学校で一つの給食調理室)です。それならなぜ、千郷地区、新城地区、東郷地区、八名地区、鳳来地区という単位で親子方式にしないのでしょうか?

小中学生の人数推移を考えれば、学校の統廃合を考慮した給食調理室の整備の方が建設費用を抑えられるのではないか?

大きな施設を作れば維持管理費も大きくなります。しかも、今回の給食センターの委託費は2億円ほどと聞いていますが、この2億円ほどは、市外の業者に渡っていきます。

多くの疑問を積み残したまま、事業だけは進んでいます。市民との協働皆無の事業です。

新城市を創るのは、市長、議会だけの力でできるものではないのです。

なぜ、市民に新城市の現状(財政、様々な施策などなど)を正直に伝え、共に知恵を出し、汗を流してもらうことに努力しないのか?

自治体は破綻しないと信じていたはずでしたが、夕張市は破綻しました。夕張市民は、破綻後に初めて市の財政状況を知ることになりました。

給食センター建設事業で一番心配するのは、多くの市民が蚊帳の外に置かれていること、十分な検討がないままの泥縄事業となっているため、新城市の財政にどれだけの悪影響を与えるのか不明ということです。

今、40億円ぐらいと言われていますが、詳細検討が続く中で、どれだけの事業費増となるかわかりません。

そんな事業の予算議案が、12月議会に提案されるのです。おそらく、賛成多数で可決されます。

今の新城市に、呑気なお手盛り事業をやっている余裕はないと判断できるのですが、自分の足元しか見ないリーダーたちには、新城市の将来に責任を持って欲しいという正論は通じないのでしょう。

12月議会の結論が目に見えるようですが、もし予想通りに波乱もなく議会が閉会を迎えることになれば、新城市をあきらめるしかないでしょう。

少なくとも次の市長選までの3年間は、人口減少が想定以上に続いていくでしょう。

この流れを止める可能性は、3年後の市長選ですが、この危機的状況を理解し、解決方法を示すことができるリーダーが出てくるのか?
  

Posted by みちひろ at 20:13Comments(6)行政関係

2022年10月06日

市民自治会議、9年目の真実

今年3月に市民自治会議(以下自治会議)の鈴木誠会長に要望書を提出しています。

それから7ヵ月、自治会議が3回開催されました。

自治基本条例が施行され9年目になり、「自治基本条例について、5年を越えない範囲での見直し」について、今年度の自治会議で、下江市長からの見直しを求める諮問もあり、見直しの議論が続いています。

見直しの問題提起の一つとして、僕の要望書が、第一回自治会議で取り上げられました。

第一回自治会議において、行政、自治会議委員の大半の認識は、「自治会議の位置づけは市長の諮問機関」というものでした。

僕の要望書は、「自治基本条例に定められている3つの基本原則(①市民が主人公、②情報の共有、③参加協働)を逸脱した事業(給食センター建設事業)が進んでいる。自治基本条例に規定された自治会議で検証をお願いしたい」というものでした。

大半の委員は、「自治会議にそんな権限はない」「市長に諮問されていないことはできない」「自治会議がどこまでの議論ができるかわからない」という意見を述べていました。

しかし、第三回目の自治会議(10月5日開催)での鈴木誠会長のまとめの主旨は、「自治会議は、市長の諮問機関ではなく、諮問を受けることもできるが、自ら自治基本条例に基づき施策が実施されているかを検証することもできる。検証結果を市長に提言できるということである」というものでした。

自治会議が設置され9年目にして、自治会議が自治基本条例通りに位置付けられたのです。

9年間、自治会議の位置づけを誤認識(敢えて無視したかも?)していたことに驚きです。

自治会議の事務局において、自治基本条例を根拠とする様々な施策をまとめた資料が、第三回自治会議で配布されました。

自治会議の委員でもある元市役所部長は、この資料をもって、こんなに自治活動が進んできていると自慢していましたが、謙虚に新城市の現状を見て欲しいものです。

多くの労力と税金を使いました。これだけの事業が行われたにもかかわらず、新城市の人口減少は予想を超え深刻な状況となっています。

成果を伴わない事業を自画自賛してしまうことが、自治基本条例の理念の無理解を示すものです。

自治基本条例は、第一条で「この条例は、新城市のまちづくりに関する基本的な理念並びに市民、議会及び行政の役割及び仕組みを明らかにすることにより、市民が主役のまちづくりを推進し、元気に住み続けられ、世代のリレーができるまちを協働してつくることを目的とします」と明記しています。

基本的な理念は守られていたでしょうか?

市民が主役のまちづくりが推進されたのでしょうか?

世代のリレーができるまちづくりが進んだでしょうか?

様々な事業に市民が参加したと自慢してきましたが、「自治」が進んだと感じている市民は圧倒的に少ないと判断できます。

第三回自治会議の委員の発言からも、それを判断できます。「自分は、自治会議に最初から参加してきたが、自治基本条例がどの様に活かされてきたのか、自分の生活との関係から実感がない」との発言がありました。

自治基本条例を理解できないリーダー達は、新城市のまちづくりを市民、議会、行政が協働して進めるという目的を忘れ、形だけに終始してしまったのです。

しかも色々な組織、会議が開催されてきましたものの、大多数の市民は蚊帳の外に置かれ、その参加者は金太郎あめ的な構成となっていることが指摘されてきました。

形だけを追い続け、その成果・効果を検証することもなく、実施したという事実だけで自己満足してきたと言えます。

想定以上の人口減少の現実が、明確に成果無しを物語っています。

自治基本条例を制定すれば無条件でまちづくりが進むはずはありません。

新城市のリーダーである市長、議会、行政が、条例の理念・目的を理解し、様々な施策に「市民自治」を位置付けていかなければなりませんでした。

現実は、施策に自治基本条例の理念・目的が反映されているかを検証できる組織は存在しませんでした。

条例上、その組織を、自治会議と位置付けたにもかかわらず、条例制定から9年、市長、行政は、自治会議を市長の諮問機関と考えていたのです。

つまり、自治会議は市長の下部組織と考え、市長の権限範囲内の活動しかさせてこなかったのです。

本来であれば、自治基本条例の理念が、様々な施策に活かされているかを検証すべき組織がその機能を停止していたのです。

条例を理解できない市長、議会、行政は、自治会議を独立組織として認識せず、都合の良い運用を続けてきました。

自治基本条例は、新城市の憲法とも自慢していたはずでしたが、市長、行政がその憲法の上に存在していましたので、「市民が主人公」の新城市が実現できるはずはなかったのです。

給食センター建設事業で明確に自治基本条例の3原則が無視されていたことが明らかになりました。

第一回自治会議での僕の要望に対して、市民との情報共有のあり方の問題を自覚した行政は、庁内課長会議を開催し、新城市市民参加手続きガイドライン作成に動いています。

ガイドラインを作ることより、不手際を市民に謝罪し、給食センター事業の議論を白紙に戻すことの方を先にやるべきです。

自治基本条例が新城市の憲法と言うのであれば、当然のことです。

そもそも自治基本条例を理解できない行政が、ガイドラインを作ることで、市民参加を制限する方向に動いてしまうのではと心配です。

自治基本条例の理念・目的を、市民、市長、議会、行政が理解し、相互の信頼関係ができない限り、まちづくりは進まないでしょう。

条例にうたった理念・目的は、まちづくりを進めるためには必要な条件だと考えますが、その条件を必要としなかった新城市に、自治基本条例は「猫に小判」だったとも言えます。

ガイドラインを作ることで解決しようとするやり方を見ると、市長、行政に自治基本条例の理念・目的を理解しようという真摯な姿勢があるとは思えません。

市長、議会、行政に、10年先.20年先‥‥の新城市を創ろうとする意志がないので、小手先の手段(ごまかし?)に頼ろうとするのでしょう。

給食センター建設事業の不手際の結果、自治会議で、自治基本条例の認識が改められようとしていますが、抵抗勢力(市長、議会、行政)が真摯に自治基本条例に向き合うことができるか?

新城市の子どもの出生数の激減は、一般市民においても話題になる程深刻です。目先の利益を考えている限り解決策は出てきません。

なぜ、自治基本条例が求められたのか、その原点をリーダーである市長、議会、行政が理解できるかにかかっています。

自治基本条例に「条例の実効性の確保(市長からも独立し、各施策が自治基本条例の理念、目的にそっているかの検証)」の権限を与えられた自治会議が、どの様な検証を進めることができるのかが新城市の今後を左右します。

僕の要望書にどの様に応えてくれるのか?

鈴木誠会長の自治会議会長としてだけでなく、大学の研究者としての経験と実績に期待する時間になると考えています。
  

Posted by みちひろ at 20:20Comments(0)行政関係

2022年09月07日

まともな大人が新城市政を担って欲しい

ほのか9月号を見ると、7月の出生数が3名となっています。子どもを産む女性が激減しているということです。

消滅可能性都市の定義に当てはまった新城市は、その後も具体的な対策が見えません。消滅可能性都市(全国の市町村1799のうち、896の市町村が2040年までに消滅する可能性があると推計されています)と言われてから、既に8年程が経ちました。

消滅可能性都市には厳密な定義がありました。

『2010年から2040年にかけて、20歳~39歳の若年女性人口が5割以下に減少する市町村が消滅可能性都市である』という定義です。

新城市では、明らかに若年女性に選ばれないまちになっており、若年女性を引き付ける魅力づくりが欠けているのです。

消滅可能性都市と言われてからの8年程、新城市は何をやっていたのでしょうか?

9月定例議会が始まりました。無意味な公式行事が始まったということです。

消滅可能性都市からの抜け出るために何が必要なのかを議論すべき定例議会が、粛々と決められた行事をこなすためだけの場所となっています。

ほとんどの議員は、市長(ほとんどの質問に対して市長が答弁せず、担当部長が勝手にしゃべっているように思います)との緊張感のないやり取りを繰り返すだけです。

今の新城市に求められる政策が何なのか?その政策実行にためにどうすべきなのか?など、より具体的な政策論争が求められているのに、市長のやり方に異を唱えることもなく、議員自らの掘り下げた政策提案もありません。

新城市が消滅可能性都市から抜けられない理由が、定例議会を見れば一目瞭然です。当然、気の抜けたような定例議会に市民の関心は薄れるばかりです。

それでも、今回の定例議会の一般質問には、僕の気を引いた質問がありました。

9月6日のカークランド陽子議員の新城市の有機農業についての質問です。この質問と答弁を聴くために、議会傍聴に行ってきました。

僕が議員時代、何度となく有機農業の大切さ、有機農業でのまちづくりの可能性を訴えてきました。

穂積市政16年間、ほとんど興味を示さなかった政策でもありました。

有機農業の可能性を訴える議員がいることに喜びを感じます。

カークランド陽子議員は、国において有機農業に舵を切るために進められている法律整備の動きから、先進自治体の実践事例、有機農業を環境、健康、まちづくりという大きな視点からの、調査・研究からの一般質問を展開しました。

世界の流れから見れば、有機農業は特別なものではなく、当たり前になる時代が来ています。

カークランド陽子議員は、「有機農業は、これまでイデオロギーとして考えられてきた面があったが、普通に求められる時代になってきた。まちづくりという視点から、より早く実践することで大きな成果が生まれる」(ことばは正確ではありません。僕の解釈)と強く訴えました(拍手)。

それに対する答弁は、従来の市政の域を出ることはありませでした。「国策に則り有機農業に関わってきた、今後も国、県の方向を見ながら対応する」という、自ら未来を切り開こうとする意志は見えてきませんでした。

行政が、ただ一つ実践したと言ったのは、有機農業推進法に基づき、新城有機農業の会への直接補償(栽培面積に対しての現金補償。国・県・新城市からの支援策)です。

新城有機農業の会は、今年4月時点で登録会員は、わずか13名。有機農業を実践している農家が会員登録しています。

13名の内、新城生まれは5人(僕もその一人)。8人は市外からの移住者です。有機農業は移住者を呼べる可能性があることを示しています。

新城市が、全国の有機農業を目指す若者を取り込むまちづくりを進めることができれば、人口減少に大きく歯止めをかける可能性はあります。

これまでの農業では、農家の高齢化は止まりません、集落の消滅は進みます、地産地消を進めると言っている給食センターができたとしても、食材を提供できる農家は消滅します、1次産業が消滅しては6次産業が成り立ちません、などなどの問題は解決できません。

下江市長は、市長選の公開討論会で主張しました。「有機農業も必要だと思うが、産業規模が小さ過ぎる。新城市は工業優先が大事」。

僕の市長選の主要な政策の一つが、有機農業によるまちづくりでした。

下江市長が主張した「工業優先」で、どの様に消滅可能性都市から抜け出ることができるのか、下江マニフェストからはその道筋は見えません。絵にも書けないマニフェストだったと思います。

地球環境の悪化を考えれば、永遠と伸び行くと信じさせられた大量生産・大量消費が、不可能であることは明らになっています。

新城市の9割程度を占める山、農地の活用を考えない限り、本当に消滅してしまうかもしれません。資源はあるのです。どう活かすかが将来を決めます。

これまで、世界の有機農業の流れを無視してきた国も無視できなくなっています。より早く有機農業から拡がるまちづくりを始める時です。

新城市には、まだまだ小さな力ですが、有機農業に取り組む農家がいます。

行政と農家が10年後、20年後の新城市を構想し、その取り組みを全市民にひろげ(食教育、6次産業、健康づくり、集落の維持、観光などなど)、新城市のまちづくりを進めていくことが、消滅可能性都市から抜け出る道だと考えています。

新城市政の大問題は、いくら可能性が見えても自らその可能性に挑戦しないことです。市民からの提案があろうと、批判があろうと、耳を貸そうとしません。

自分たちの決めた(本当に少数の人間たちが決めている)方向は何が何でも変えたくないのです。

自治基本条例で、市民自治社会を作るという挑戦に踏み出したはずでしたが、市民自治どころか民主主義が劣化を続けています。

神戸女学院大名誉教授の内田樹さんが、民主主義について中日新聞の「視座」に書いていました。

「民主主義を貫く理由は何?」という青年の疑問に、内田さんが考えを書いています。

「ご指摘の通り民主制はあまり出来のよくない制度です。それは国民の一定数が『まともな大人』でないと機能しない制度だからです。身銭を切ってでも民主制を守ることが自分の責務と思わない人(つまり『子ども』)の比率がある閾値を超えると民主制は終わります。帝政や王政や貴族政では、少数の統治者だけが『まともな大人』であれば、残るすべての国民が幼児であっても国は治まります」と書いています。

新城市に当てはめると、民主制の終焉が近づいているのではと思えてきます。

給食センター事業に典型的に見られます。

「市民との情報共有、市民が主人公と自治基本条例で規定しながら、市民の声は聴かず、情報提供もしない(市民に聴いたら自校方式を求める声が多数になることを心配したのか?)」

「総額費用もわからないまま事業は決定(安倍総理の国葬前提の費用を示さないやり方と同じようですね)」

「給食センター建設費用と自校方式継続費用の比較検討は行わず、とにかく給食センター建設を選択してしまった(比較検討したら自校方式の方が安いかも)」

「境界確定もせずに図面を引いてしまう(個人宅建設でもありえない対応)」

「子ども激減(設計時約3500人が5年後には約2500人)、施設は早期に過大施設になることを検討しないまま40億円の箱物建設優先(子ども激減対策を考えた上で給食センター建設検討ではないの?)」

「給食センターになれば、食中毒発生などの問題が解決されると言うが、各地の給食センターで食中毒などが発生し、何ヵ月も給食提供が大規模に止まっていることは言及しない(給食センター建設決定の理由付け?)」

「給食センターになれば、食中毒発生などの問題が解決されると言うが、新城市の自校方式でそれらの問題が起きていないことには聞かれるまでは黙っている(給食センターのメリットなの?)」

「給食センターになれば地産地消の給食が進むと言うが、これまで地産地消が進まなかった『農家の高齢化』『天候不順』『形・大きさの不揃い』という対策は今後考える(少量供給でも対応ができなかったのに、大量発注ではさらに地産地消は困難なのでは?)」

「給食センターで食教育を進めると言うが、具体的な食教育の理念は今後検討する(理念なしで進めている事実が箱物ありきの証明?)」

まさにまともでない大人たちが、「給食センターを作る」ということ(誰かの指示があったの?と勘繰りたくなる)だけで計画づくりを進めているという状況です。

まともでない計画にお墨付きを与えているのが、まともでない大人たちの集まりである議会となっています。

民主主義が成熟すれば、様々な議論を戦わせ、最善の方向を導き出せるはずですが、議論を否定する新城市政では、まともな政策が提案されないまま、消滅可能性都市への道をまっしぐらです。

内田さんが言われる「賢い独裁者(民主主義の徹底を進め、消滅可能性都市からの脱却への提案ができる市長、を期待します)」が、民主主義の度合いを上げない限り、新城市の現状は変わらないと考えています。

新城市議会の9月定例会の議場には、40名ぐらいの議員、市長、部長がいます。新城市の政策を決定できる人たちです。

この中に「まともな大人」が何人いるかと考えると空恐ろしくなります。

「賢い独裁者」の登場を切に願っています。

  

Posted by みちひろ at 21:02Comments(0)行政関係

2022年07月15日

新城市の大きな分岐点

僕の日々の生活は、自然栽培(豊かな土作りを基本にした肥料も農薬も使用しない農業)に汗を流す健康的なものです。

農業に付加価値を付けない限り、農業で生計を立てる地域農業にならないと確信し、自然栽培のあり方を模索しています。

僕の住んでいる杉山地域でも、農業の将来に悲観的な考えが広がっています。全国で問題になっている「後継者不足」「農業従事者の高齢化」が、現実の問題となっています。

国も地方農業の悲惨さを無視するわけにはいかないので、様々な補助金を使って、上記の問題の後につながる「耕作放棄地の増大」対策を始めています。

新城市の農業課でも、国の施策の方向に進もうとしていますが、ここまで地域農業を疲弊させてきた国策の問題点を理解できない限り、新城農業は衰退の方向は変わるはずはありません。

杉山の生産組合の役員が集まり(僕も生産組合の周り番の役員)議論をしましたが、杉山の農業の将来に明るい未来は見えてきません。「農業で食べていける」という状況が見えなくて、いくら議論をしても堂々巡りになってしまいます。

杉山でも、後継者がいない、農家は高齢者ばかり、持て余した農地の借り手がいない、など困難な実態が浮き彫りになっています。

国が進める効率化のためという大型農業が、新城市みたいな中山間地で成り立ちますか?

1俵で1万円を切るような米価で誰が農業を志しますか?

生産物の価格は、流通の都合で決められてしまいます。定年後の小遣い稼ぎ程度といえるような野菜価格で、誰が農業を志しますか?

個人の思いだけでは、新城農業に先は見えてきません。

農業には多面的機能があると言われて随分な時間が経っています。

農林水産省では、『農業・農村の有する多面的機能とは、「国土の保全、水源の涵養(かんよう)、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる、食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能」のことをいいます』とし、農業の大切さを強調しています。

林業にも多面的機能が強調されています。新城市で農地、山林の面積は、市内面積の9割くらいを占めていると思います。

僕が、これまでも強調してきたのは、新城市みたいな地方で、農地・山林を活かさない限り、持続可能な地域は実現できないということです。

穂積市政から下江市長に替わりましたが、下江市長のマニフェストには、穂積市長の流れを踏襲するだけで、目新しいものはないと考えています。

それでも、先の市長選では、下江市長もマニフェストを公開していましたので、当選した限りそのマニフェスト実現のための具体化が必要です。

しかし、そのマニフェストを新城市総合計画に反映するために、今年度1年間をかけるようです。

しかも、反映されたとしても、その計画が具体的に動き出すのはいつになるかわかりません。

何のためのマニフェスト市長選だったのでしょうか?

1ヵ月に生まれる子供が1桁になっている深刻な実態と新城市政の呑気な状況が心配です。

市政をチェックするべき議会はあります。まともに議会にチェック機能があれば、新市長のマニフェストのチェックがされるはずなのですが。

今年の3月議会が終わった3月末に、「3月議会を通しての下江市長マニフェストの審議結果及びマニフェストの総合計画への反映に対して、議会としてのチェック方法を具体的にお知らせください」との質問書を出しています。

議長からは、今に至っても回答は届いていません。

新城市の将来に責任を持つべき人たちが、自分の足元ばかりを見ているように思えます。

新城市の将来に心配している人たちが、声を挙げ始めています。
自治基本条例の「市民が主人公のルール」を明確に無視した学校給食センター化事業に対しての動きです。

学校給食センター化事業は、おかしなことが多過ぎます。

「市民に説明はしていない。議会の承認があるからOKとの認識。議会はまともな情報もないまま議決を繰り返してきただけ」

「設計業務入札に関する資料の紛失」

「総事業費の検討もないまま出来高払いの様なずさんな進め方。現時点で約40億円。最終的にはいくらになるかは知らんぷり」

「財政的に余裕が年々少なくなる中、これ以上の借金は危険(庁舎建設時、市財政には悪影響はないと言っていたのに、現実は経常収支比率90%越えで危険状態)。給食センター建設でさらに財政悪化は避けられない」

「教育予算が不十分で学校施設の老朽化対応が後回しなのに、給食センター建設には大判振る舞い」

「子どもたちの急激な減少を考慮しない計画(15年後には半減。すぐに過大な規模が露呈)」

「食教育の検討が後回し(支援を受けている大学の先生に、まず必要なことは、新城市の食教育の理念と言われているのに)。建設ありき」

「食材の供給は地産地消と強調しても、農家への協力依頼は一切なし。建物を建ててからの検討なのか?」

「いくら問題点を指摘しても、市長も議会も流れを止めないと強調(いくら市民が声を挙げても方向は変えない)。これで市民が主人公なのか?」

等など。

40億円を超える事業においてさえ、市民の声は聴かない、不思議な市長と議会です。

自治基本条例には「市民との協働」というルールが決められていますが、どうも「市民」という認識が違っているのでしょうね。

行政のやることに理解を示してくれる「市民」が、自治基本条例で言う「市民」ということになってしまえば、新城市の将来に光は見えなくなるでしょう。

声を挙げてくれる「市民」と、議論し協働できるまちこそ、「自治」が根づくまちと言えると思います。

給食センター建設事業ですが、前提に立たない客観的な議論が必要だと言いたいのです。

様々な視点(より多くの市民の視点が必要)からの議論の上、新城市の将来に責任をもつ結論を持って欲しいのです。

自分の考えに固執するのではなく、周りの意見に耳を傾けられる市民を育てることでしか、「市民自治」は育ちません。

結論ありきの市政の進め方では、市政へのあきらめを残すだけです。

給食センター建設事業は、「市民自治」を育てる最後の大規模事業となるでしょう。

「あとは野となれ山となれ」と未来の市民に負担だけを残す事業にはしたくないですね。
  

Posted by みちひろ at 11:59Comments(2)行政関係

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