2022年04月27日

新城市の民主主義のレベルの低下が顕著

ロシアのウクライナ侵略で、民主主義のレベルの幅の広さを思い知らされています。

プーチン大統領も国民から選挙で選ばれている点からは、民主主義国家の分類に入っているようです。「民主主義を守れ」という言葉が、ロシアには通用しない、毎日が葛藤です。

ロシアの行動と比べれば、新城市の民主主義は守られていると言えます。

「自治」と言い始めてから16年経ちましたが、民主主義のレベルは低下し続けていると思っています。

「市民が主人公」と言いながら、自治基本条例を制定しました。議会でも議会基本条例を制定しました。

16年前(穂積市長誕生前)は、「自治」とも「市民が主人公」とも声高に叫ぶ市長でも議会でもありませんでしたので、市長と議会が独断専行しようとも、仕方がないと済ますしかありませんでした。

しかし、条例が制定されて変わるはずだった民主主義のレベルは、何にも変わっていません。

「自治」と宣伝するだけで、中身が伴っていません。条例と現実のギャップが、かえって民主主義のレベルを押し下げています。

何回かブログで書いてきましたが、共同調理場建設事業が、新城市の民主主義のレベルを如実に表しています。

3月議会が終わり、カークランド議員の議会報告が新聞折り込みされていました。

カークランド議員が調査の上での議会活動の報告です。この報告(以下、柿栗レポート)を読むと、非常に分かりやすく新城市長、議会の民主主義のレベルを知ることができます。

共同調理場建設事業は、実施設計が終わっています。事業は最終段階に差しかかろうとしていますが、問題点が多く、直近の3月議会でも、付帯決議なるものが全議員賛成で採択されざるを得なくなっています。

付帯決議なるものを上げざるをえないのであれば、なぜ議会として調査、修正を行わないのでしょうか?

市民のための市政チェックを行うことより、行政の決定を優先しているとしか見えません。

具体的に、柿栗レポートから新城市長、議員の民主主義のレベルを考えてみます。

柿栗レポートに、カークランド議員自身の疑問が挙げられています。いくらか、僕の理解で言い回しを変えています。

①行政自身が市民の声を聞いたことはないが、議会で議決されたので市民の声が反映されていると答弁したが、独自の無作為アンケート(169名より収集)では、自校方式か親子方式が良いが80%、事業の存在を知らないが1/3、決める前に市民の声を聞いて欲しかったが86%。

②老朽化のために共同調理場と言うが、耐用年数を過ぎている給食室に対して建て替えの検討をなぜ行わなかったのか?

③調理員不足と言いながら、労働条件整備をなぜ行わなかったのか?

④共同調理場の方向が決まってから、議会報告(議会軽視?)になったのはなぜか?

⑤平成30年の教育委員会定例会で「(市長など市幹部で構成される)市政経営会議で給食室はできるだけ集約するように指示があった」ということだが、最初から共同調理場の方向が決まっていたのか?

⑥建設事業入札のための参考見積が紛失し、今も紛失したままなのはなぜか?

⑦基本設計実施前に、設計事務所から、「設計敷地に愛知県の土地など市有地以外が含まれているので確認が必要」と言われていたにも関わらず、確認もせず実施設計まで行わせたのはなぜか?

⑧当初実施設計見積予算に含まれていた各小中学校の受け入れ施設事業予算見積が、途中から外されたにもかかわらず、実施設計見積予算が変わっていないのはどうしてか?

等などです。余りにも行き当たりばったりに見える建設事業です。

議員1期目の議員が感じている疑問を問題にしない大多数の議員の存在が不思議です。

明らかに、議会のチェック機能喪失だけでなく、条例に義務付けてある市民説明も放棄しているのが、新城市議会です。(残念ながら、議員になりたい議員ばかりで、市民に選挙での選択肢はないに等しい。それが新城市の自治レベルか?)

共同調理場方式なのか、自校方式なのか、親子方式なのかが問題なのではなく、市民に判断を仰ぐための市民説明を無視していることが問題なのです。

問題の深刻さは、新城市の憲法と強調してきた自治基本条例、議会基本条例を無視していることです。これでは、疑問を感じた市民の声の行き場がなくなってしまいます。

あまりにも共同調理場建設ありきです。3月議会の時点でも、教育長も教育部長も「自校方式が優れている」と言っていたようです。

新城市は、人口激減で将来の財政にも赤信号が灯っているのに、事業に当たって総合的な財政検討した様子もありません。

共同調理場方式、自校方式、親子方式などの比較検討を行なった上で市民説明を行っている自治体もあります。40億円とも言われる事業なのに、新城市は共同調理場建設ありきです。

将来を考えれば、少しでも負担を少なく効果が挙げられる方法を見つけ出すべきです。

新城市では、市民説明を省き、教育委員など教育関係者には上意下達を徹底し、「自治」に必要な議論を排除しています。

しかも、「食教育」としての給食のあり方については、全て今後の検討となっているようです。

給食調理は委託に決めているようですが、他自治体の状況では、委託と「食教育」の矛盾が出てきているようです。自校方式に変えようとしている流れも出てきています。

「地産地消」「有機農産物」の食材の確保をするかのような話もあるようですが、全て今後の検討と言うことで、実現の保障は何もありません。現段階においても農家との協議はありません。

当初、3500食調理の規模で考えているようですが、人口減少政策も議論せず、建設してしまえば、過大な施設になるのは明らかです。維持管理費用は無視ですか?

自然災害が多発し、小中学校が避難所になる可能性も高くなっていますが、自校方式なら近くに調理場を確保できます。わざわざ、調理場を遠くにしていいのでしょうか?

共同調理場ありきがあまりにも明らかとなっています。新城市長、議会の民主主義の低さに前が見えません。

16年間の穂積市政の特徴が明らかになってきたように思います。それを、丸吞みしている下江市長が心配です。

市庁舎建設の時、住民投票になる前の直近の市長選で、現職穂積市長が何とか当選できたというほどの接戦でした。しかも、マスコミで争点は新庁舎建設としていました。

それにも関わらず、市長、議会とも「選挙で結果は出た」と強弁し、見直しは断固拒否しました。

もし、見直しもせず建設していたとしたら、5階建ての全面ガラス張りの庁舎になっており、箱物行政の象徴になっていたでしょう。

新城市政は、動き出した公共事業は、「天の声」の主が断念しない限り止まりません。共同調理場建設も「天の声」があったとしか思えない進み方です。

市長選の結果を受けても変えようとしない行政です。おそらく、市民がいくら疑問を投げかけても止まらないでしょう。

見直しを実現させたいのであれば、住民投票しかないでしょう。ここまで、市民の声が届かない新城市政では、市民の共感はますます無くなるでしょう。

「議会が認めてくれた事業です」と穂積市長は繰り返しました。市長が提案して、市民に選ばれた議員が多数決で議決する。そして実施される、民主主義という点で否定しようのない流れです。

しかし、民主主義のレベルは決して高くないやり方です。市民不在の事業が多いですから。

「自治」という耳障りの良い言葉で市民を巻き込み、事業決定は市長諮問機関などを使いながら、最後は議会が議決し、市長が進めたい事業の方向に誘導されてきたように感じています。

得だと言いながら合併特例債をほとんど使い切る状況です。得だと言っても税金です。「自治」と言いながら、自らの知恵と力を使わずに、国におんぶにだっこでした。何百億円もの税金を使うという危機感は皆無に感じます。

国に依存ばかりのため、自らの努力も求めず、地域自治区、若者議会など大判振る舞いをしてきました。

多くの市民が疑問を感じている高速バスも、市長が替わろうが見直しをしようともしません。年間3000万円を超える税金が垂れ流されています。

新城市の現状を判断できるリーダーがいません。下江市長の姿が見えません。新城市議会の存在価値が見えません。

市長と市議会に強力なタッグを組まれたら、市民が何を言おうと変わることはありません。聞く耳をもたない新城市の現状がますます心配になっています。

3月に生まれた子供は、市内全域でわずか6人です。転入171人に対して転出313人です。人口減少が加速しています。

呑気に共同調理場建設事業を進められる状況ではありません。市民不在では、新城市の消滅可能性都市からの脱却は不可能です。

「市民が主人公に立ち返れ」、下江市長、新城市議会に叫びたい気持ちですが、叫んだところで声は届きそうにありません。それでも記録にはなると思って書いています。

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Posted by みちひろ at 18:13│Comments(7)行政関係
この記事へのコメント
高速バス廃止を求める運動や署名などしたら
ダメなんですか?
プラカード持って行進とか。。
やりたい気持ちです( ̄ヘ ̄メ)
共同調理場の件は、今に至る流れとかは詳しくないのですが一概に悪いとは思わないです。
調理員になる人も減少してる時代、最新の設備、快適に作業できる場所で効率的に調理できるので悪くないと思うのですが?
自動車で運搬できる現代、時代に合わせることも大切かと。
ただ、やたら効率化を求め、仕入先も効率化で地元の関係先の食材を排除だけはやめて欲しい。
地元の食材で効率的に調理できるといいと思うのですが。
この白井さんの文を読む限りは、調理方式の決定方法に異議を言っているだけで、調理方式は2の次に感じます。今さらと思わず、両方式のメリット、デメリットを教えてください。
Posted by 高速バス反対 at 2022年04月27日 21:44
プラカード持って行進、面白いですね。企画してもらえませんか?
市役所を「高速バス反対」で取り囲むというのはどうでしょうか。

調理方式より「食教育」のあり方が大切だと思います。
新城市が自慢してきた自校方式もその大切な「食教育」が
十分位置付けられていたとは思いません。

子供たちだけの「食教育」だけではなく、地域の「食教育」につなげてこそ、学校給食が「食教育」の力をより発揮できると思います。

新城市の議論は、「食教育」の議論を後回しにして、箱物作りを優先させています。議会は、自ら何も考えず、市長提案に賛成してきただけです。
Posted by みちひろみちひろ at 2022年04月28日 07:51
自校方式で、食教育 ができてなかったのなら、
共同方式にして新たに考えるという手もあるとは思いますが。
なんにせよ、こういう議論すべき事を市民が知らないのが問題ですね。
他の自治体はどうしてるんですか?
Posted by 高速バス反対 at 2022年04月29日 21:39
自校方式の先進自治体ということで、島根県太田市、京都府大山崎町、埼玉県深谷市・草加市、千葉県柏市、千葉県佐倉市などがあるそうです。
給食を守る会(山田議員が関わっている新城市の市民組織)の発行のチラシに載っています。
詳しくは、山田議員にお問合せください。
Posted by みちひろみちひろ at 2022年04月30日 07:07
新城市のなんちゃって自治に非常に疑問を持っています。委員名簿を見ても、区長とかPTAとか他の役職から駆り出されている人が多いです。

地域自治協議会の議事録も時々読みますが、もう何年もやっているのにマンネリ感いっぱいですよ。

それなのに、また地域なんとかマネージャーを新たに設けるとか、いったいいつまでこんなことに税金を使うんでしょうか。

東郷地区協議会の今年度2回目の議事録に会長のこんな本音が出ています。

https://www.city.shinshiro.lg.jp/kurashi/chiikijichiku/jichiku-togo/kyogikai.files/R4_kaigiroku_2.pdf

「地域マネージャーの問題も含めて、地域計画を進めていくことについては、他の自治区も非常に苦労されている。これが自発的な交付金団体の話だったらいいが、事業を進めるためにある程度半強制的に集められた形が多いので、この人たちでどうやって盛り上げていくかということに大変皆さん苦労されているし、実行団体がちゃんとあるわけではないので、どうやってまとまりをつけていくかということについては、他の地域も苦労されているということがわかった。」

他の9地区の議事録を読んでも、やらされ感満載で、事業もどこも毎年同じようなものばかり。AEDとか公民館トイレ整備とか児童の英語とか。

予算があるから使わないといけないって、本末転倒じゃないですか。
Posted by 一事が万事 at 2022年05月24日 23:32
あいかわらず空気を運んでいるだけの高速バスを見た。

Sバスも満員とは言わないが、少なくとも地元の足として必要不可欠だと思うし、確実に利用者はいる。

Sバスの採算性についての話は聞くが、高速バスの採算性についてはとんと聞かない。おかしい。市長が代わっても、ずるずると前市長の独善が続いているだけだ。

ますます高齢化が進んで、自分で運転できない人が増えてくる。タクシー代が払える人ばかりじゃない。子供や親類や近所に簡単に車を出してと言える人ばかりじゃない。

何年やっても通学通勤その他、前市長がアピールしていた利用者が増えない高速バス、ジブリパークが長久手にオープンしたって新城市民の何人がしょっちゅう行くのか? 鉄道だってある。

なぜ市議会は高速バスの予算を承認し続けるのか。市内の公共交通を使えるようにするのが先だと思う。


 
Posted by S at 2022年05月30日 21:47
明日の自治市民会議で、新城市の自治の問題点を指摘します。
市民への説明無しでの共同調理場建設事業のあり方を自治市民会議に、新城市自治基本条例に照らして検証を求めています。
新城市の自治が、自治のための自治となっており、何のための自治かを問いたいと思います。
Posted by みちひろみちひろ at 2022年06月01日 21:14
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